特別企画「ともに」

第3回
6月11日(土) 13:00~13:54


鎮魂と海の復興を願う!森は海の恋人
~植樹でエールを送る
 あの大震災から3カ月。
 気仙沼市唐桑で養殖業を営む畠山重篤さんは、豊かな海を守るためには上流にある森や川を守ることが重要だと、「森は海の恋人運動」という植林運動に取り組んできました。津波で事務所、加工場、洋食の筏も船も環境活動の資料や子供たちからの感謝状もすべてが流されてしまいました。そして、最愛の母親までも犠牲になりました。
 6月5日、犠牲者の鎮魂と海の復興への想いを込めて、今年も植樹祭が開かれました。全国から集まった参加者を前に、畠山さんは「この植樹祭が終わったら、筏を作って、なんとか復活させようと思っています。来年はまた海の産物を持って、この植樹祭に集うことを約束します」と挨拶しました。その約束は「何があっても海で生きていく」という強い決意でもありました。


地域を支えるボランティア
~その思い~
 「宮城復興支援センター」の代表・船田究さんは、南三陸町歌津地区を中心に、被災地の支援活動を行っています。その活動特徴は、現地に何日も泊り込んで、小さな避難所や個人の家などを徹底して回っていることにあります。地域に溶け込み、地域に寄り添いながら、ニーズをきめ細かくフォローしているのです。その船田さんは、今月から新しい取り組みを始めています。それは被災者がカルチャースクールで趣味を通して、生きがいを持ってもらおうという考えです。志津川地区に住む押し花の先生は震災前に4つの教室を開いていましたが、津波で道具類はすべて失いました。しかし各地の仲間がその道具を送ってくれたそうです。久しぶりに再開した押し花教室。先生も生徒さんも好きなことを出来る幸せをかみしめていました。


「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の取り組み
 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は、インターネットを通して避難所や自宅避難者から必要な物資を募り、サイトを閲覧した全国に人はニーズに応じて、ダイレクトに物資を送ることの出来る、行政を介さない被災者支援の試みです。
 このプロジェクトの代表を務める西條剛央さんをスタジオにお迎えして、お話をうかがいました。震災から3カ月、これまでのべ600か所以上の避難所で支援を行い、物資を送ることが出来たのは1万回にのぼるそうです。被災地とそれ以外の場所での温度差がよく問題になりますが、支援できる人は出来る範囲で継続的に支援してほしい。やれることは必ずあるので、特に仙台の人や被災地の隣の市や町に住む人に積極的に動いてほしいと、西條さんはおっしゃっていました。


山元町の今、そして…
被害を免れたイチゴ農家の思い
 山元町の海沿いの地域には、町の特産品「イチゴ」の栽培農家の9割が集まっていまtした。震災から3カ月、町内8か所に668戸の仮設住宅が建てられ、新しい生活を始めた人もいます。その中にはイチゴ農家だった方もいます。
 震災がなければずうっとイチゴ栽培を続けていたはずの農家の方は、なかなか踏み込んでいけないでいます。
 一方、山あいの鷲足地区で35年にわたりイチゴ栽培を続けていた森川繁さんは、震災から1カ月経った頃から仙台の市場に出荷を再開しました。山元町では130軒のうち、津波の被害を受けなかったのは、わずかに5軒。森川さんはすべてを失ったイチゴ農家の仲間たちに、少しでも多くのイチゴの苗を送りたいと、収穫量に影響が出ることを承知で、実を採るための株からも苗を採ることにしました。
 特産品「イチゴ」の復活は山元町全体の「復興」の希望です。森川さんは一人でも多くの仲間の復活を望んでいます。