特別企画「ともに」

第45回 2014年12月20日(土)12:53~13:23
[再放送]12月28日(日)深夜3:15~3:45


復興の町工場 コマ対決で技術を競う
[岩沼市]
 仙台空港近くの工業団地内にある「岩沼精工」。携帯電話などに使われるリチウムイオンバッテリーの端子などの金属加工を行っている会社です。震災による津波で工作機械のほとんどが水に浸かり、大きな被害を受けました。その時、会社を救ったのが当時56人いた従業員。震災から、わずか3ヵ月で全面復旧しました。復旧後、業界団体から、高い技術力を買われ「全日本製造業コマ大戦」への誘いを受けました。連日、試作を重ね、重心を極力低くし、安定して回るコマで東日本予選に臨みました。北海道から北関東までの中小製造業の会社が、技術の粋を集めて作ったコマを戦わせる「全日本製造業コマ大戦」の東日本予選。決勝で敗れたものの、来年2月に横浜で行われる世界大会への切符を手にしました。支援してくれた人に感謝を伝えるため、岩沼精工の挑戦は続きます。


南三陸町歌津の今
[南三陸町]
 今も復旧しないJR歌津駅。震災前、この駅前一帯が、にぎわう町の中心でした。歌津地区の仮設商店街、その向かいの土地で、かさ上げ工事が始まっていました。来年、商店街はここに移転する予定ですが、ここもまた仮の場所だと言います。地区の漁港の一つ、寄木漁港。ここで養殖業を営んでいる畠山鉄雄さんは、震災の年の秋、地区の漁師と共同でワカメの養殖を再開させました。全国からの支援もあって、少しずつ船や施設を整え、震災前のようにそれぞれが独立して出来るようになったため、協業は終わりにしたそうです。丸3年で、海の仕事は、震災前の8割まで回復したと畠山さんは言います。失った自宅の再建も、ようやくめどが立ってきました。今年10月、漁港から車で5分の高台の宅地造成がようやく終わりました。畠山さんは、来年春に住み始めたいと考えています。常に海が見えていた、以前の生活とは、少し違います。それでも、海を生きる糧にして、新しい場所で、新しい生活が、始まろうとしていました。