特別企画「ともに」

第51回 2015年6月13日(土)13:05~13:35
[再放送]6月21日(日) 26:55~27:25


45日で再開した食品会社
[岩沼市]
 仙台空港近くの工業団地にある「にしき食品」。あの日、約1.5メートルの津波が押し寄せ、大きな被害を受けました。震災の翌日から、従業員が自主的に集まり、泥かきなどが始まりました。過去の浸水被害を教訓に、建物の土台を高くしていたことで、幸いにも在庫は無傷でした。あるだけの在庫を出荷することで、販路を失わずに済んだのです。
工場はストップしたまま…しかし、菊池社長は、待機中の人も含め全従業員に、3月分の給料を支給。懸命の復旧作業に、販路の確保。そして、従業員の雇用と生活が守られたことで、震災から45日後の4月25日、工業団地の中で最も早い再開を果たしました。


野菜作りで地域をつなぐ活動
[気仙沼市]
 気仙沼市出身の畠山卓さん。2年前から仮設住宅にプランターを配り、住民に野菜を作ってもらう活動を行っています。住み慣れない場所で、コミュニケーションがうまく取れず、孤立したり、トラブルが起こったりするケースが少なくありません。野菜作りがきっかけとなり、仮設住宅で暮らす人たちの「心の負担」を少しでも軽くできれば、そんな思いから始まった活動です。プランターは無償で提供。活動資金はカタール財団からの寄付金や、県の助成金を充てています。
震災から4年が経ち、少しずつ状況が変わり始めています。新しい家や、災害復興住宅への入居、仮設住宅の統合が始まり、空き家が増えています。移転先での近所付き合いを心配する畠山さんは、去年の秋から耕作放棄地を借り、畑作りを始めました。「みんなで集まって農作業をする。そこで会話が生まれたり、人が集まるようなきっかけになればいいかな」と畠山さんは言います。