第556回 仙台放送番組審議会
(平成30年6月27日開催)
開催日時 | 平成30年6月27日(水)午後0時15分~ |
開催場所 | 仙台放送役員会議室 |
出席者 |
委員長 | 山本雅之 |
副委員長 | 真田昌行 |
委 員 | 菅野麻衣子、今野恵、中村修治、廣瀬典孝、藤原道朗、渡辺憲一(リポート) |
局 側 |
稲木甲二/代表取締役社長、
福原一宏/常務取締役、
塩野智/編成制作局長兼番組審議室長、
佐藤俊昭/報道局長、
大山吉剛/編成部長、
菊地章博/報道部長、
大山琢也/報道部、
澤田滋郎/番組審議室事務局長、
石山利恵/番組審議室
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稲木甲二/代表取締役社長、福原一宏/常務取締役、
塩野智/編成制作局長兼番組審議室長、佐藤俊昭/報道局長、
大山吉剛/編成部長、菊地章博/報道部長、大山琢也/報道部、
澤田滋郎/番組審議室事務局長、石山利恵/番組審議室
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議題
- 前回議事録の承認
- 5月番組分類統計、7月自社制作番組予定、5月に寄せられた視聴者からのご意見
- 「閖上リレー ~変わりゆく景色の中で~」
平成30年5月26日(土)12時58分~13時53分を審議
議事概要
- 前回の第555回番組審議会の議事録が承認された。
- 局側から、5月の番組種別ごとの放送時間、7月の自社制作番組の放送予定、5月に視聴者から寄せられたご意見や苦情 など合わせて302件の主な内容を報告した。
- 議題番組の審議
議題番組に対して、各委員から、さまざまな意見をいただきました。
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震災の被害を伝える語り部活動を紹介する番組はこれまでも多数あり若干食傷気味のところがあったが、この番組は母親の世代から、当時子供だった世代に語り部としての活動をリレーしていくことが、ドキュメンタリーとして映像化されており、新しい切り口なのだろうと思った。
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全体的な印象として、ナレーターのゆっくりとした抑揚を抑えた語り、震災を次代に語り継いでいこうと思った二人の母親の覚悟、それを引き継ぐ若者の、家族や友達が育ち生活してきた閖上を愛してやまない心情が画面を通じて感じられた。
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次世代にリレーしていくという語り部活動は、本当に長距離走のようで、派手な見せ場はないが、脚色など加えずに、じっと静かに見守っていく、カメラに収めていくことが大切なことなのだと感じた。
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他県の方がこの番組を見たときに、およそ宮城県の全体の現状はこのような感じであると誤解されるのではないかと気がかりだった。説明するアナウンスがあっても良かったのはないか。
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見終わって率直に感じたことは、綺麗にまとまっているということ。言い方変えると少しもひっかかるものがなかった。語り部になると決意した若者の苦悩、葛藤の描かれ方は少し浅く感じた。
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語り部の母親には、語り部をすることで、嫌な思い、辛いことなどがあると思う。そうした部分をしっかり伝えて、それでも、語り部をやってもらえる、やっているという内容が欲しかった。それを承知の上で、若い人に託したいんだという思いを描いてほしかった。
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サブタイトルに~変わりゆく景色の中で~とあるが、番組の中では部分的だった。地域が全体的に変わっていく様子をどこかでまとめていて欲しかった。
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自分が見た震災関連の作品は3作目だが、今回の番組はとても良かった。これまでの番組では「復興がまだ道半ばであること」とか、「心の傷みがまだまだ癒えないこと」を非常に訴えることが強い傾向にあったが、今回は登場する3人の方の気持ちの整理というか、心の復興というのが進んでいることを伝えており、とても共感することができたから。
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空撮からの導入は全体感をつかむ上でわかりやすく良い導入だった。音楽が素晴らしい。語り部として震災を語りつなぐ意味での「閖上リレー」のタイトル、すごくいいなと思った。
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津賀さんのナレーションも落ち着いていて聞きやすく、番組にマッチしていたように感じた。
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語り部の人が、犠牲者の碑を何度も何度も感情を込めて撫でているシーンは、私たちが生きている東北地方、宮城県の皆さんの家族会の強さ、コミュニティの強さ、それから復興に向かう人の強さ、心の強さを見せてくれていて、本当に感動的なシーンであった。
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変わりゆく景色のなかで、この人たちが必死に生きているということを伝えているので、自分だったら、タイトルをひっくり返して『~変わりゆく景色の中で~ 閖上リレー』としたかもしれない。
これに対し、番組担当者など局側が次のように述べました。
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定点観測で閖上の移り変わりを描くべきと言うご指摘があった。人を追うことで精一杯になってしまっていたという反省がある。慰霊碑のところの津波の高さ、被害、犠牲者など(触れるべきことがあった)、取材というものを、もう少し広い視点で考えてやらなければいけないと考えている。
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出来るだけ前向きな番組を作ろうとした。語り部を受け継ぐ吉田さん(若者)の葛藤を描ききれなかった、もっと伝えられたんじゃないかと、番組が終わった後に、率直に感じた。映像でどう表現するか、言葉でどう表現するかと試行錯誤していたが、そもそも、取材の段階で甘かった、もっと入り込めたのではないかと考えていた。
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今後、吉田さんを、時間をかけて追いかけていくことも考えている。
※第556回番組審議会の概要は7月7日(土)の「月刊チャンネル寸評」で放送しました。