第623回 仙台放送番組審議会
(2025年3月26日開催)
開催日時 | 2025年3月26日(水) |
場 所 | 本社5階役員会議室 |
出席者 |
委員長 | 山本雅之 |
委 員 |
菊池昭光、小宮仁奈子、今野恵 真田昌行、鈴木広一、野沢千晶 |
菊池昭光、小宮仁奈子、今野恵、真田昌行、鈴木広一、野沢千晶 |
局 側 |
稲木甲二/代表取締役社長
高荒治朗/取締役報道制作局長
澤田滋郎/報道部長
梅島三環子/アナウンス部
篠原研司/取締役番組審議室長
田村信也/番組審議室事務局長
石山利恵/番組審議室
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稲木甲二/代表取締役社長、高荒治朗/取締役報道制作局長
澤田滋郎/報道部長、梅島三環子/アナウンス部
篠原研司/取締役番組審議室長、田村信也/番組審議室事務局長
石山利恵/番組審議室
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議題
- 前回議事録の承認
- 2月の番組分類統計、視聴者からのご意見について、4月の自社制作番組の放送予定。
- 番組合評
「明日への羅針盤2025~それぞれの選択~」
3月11日(火)14:50~15:45放送
【番組概要】
東日本大震災から、14年…
岩手めんこいテレビ、福島テレビ、仙台放送の3局共同制作の特別番組です。
9回目の放送となった今回は、3つの特集VTRのオムニバスです。
震災発生10日目、石巻市で、津波に流された自宅から祖母とともに救出された人がいました。「奇跡の生還」と言われましたが、本人は、避難しなかったことを「間違った選択だった」―。その時の心理状態とは?
岩手県陸前高田市では、博物館の再建に向けて、ひとりの学芸員が、津波にのまれた46万点もの文化財の修復プロジェクトに挑みました。
福島県の大熊町は、原発事故によって全住民が避難を余儀なくされました。町では今、「被災地に戻った人」と「移り住んだ人」が、それぞれの選択と行動で復興を進み始めています。
3県の置かれた状況は少しずつ違いますが、お互いの今を知ることが復興の「羅針盤」になると信じています。
議事概要
- 第622回番組審議会の議事録が承認された。
- 局側から、2月の番組種別ごとの放送時間と視聴者から寄せられた意見や苦情など合わせて202件の主な内容を報告した。合わせて4月の主な自社制作番組の放送予定を紹介した。
- 議題番組の審議
議題番組への各委員からの主な意見は以下の通り。
- 番組オープニングのBGMが心に沁みこんでくるようなとても良い楽曲だった。犠牲になられた方々に捧げる献奏のようでもあり、これまでの復興の歩みを讃えるようでもあり、胸の中に厳かになっていく感じがした。
- 震災発生10日目に津波で流された自宅から救出された阿部さんには、避難しなかったことへの後悔と「奇跡の生還」と言われたことへのギャップで、他の人では分からない彼ならではの苦悩があったと思う。自分の失敗と向き合い、後悔のある場所に戻り、語り部として仕事を選択した勇気に感銘を受けた。
- 「奇跡の救出」の阿部さんの話は、既視感、悪い意味の既視感ではなくて、私は良く知っている話だが、梅島アナウンサーのインタビューを通すと、全く別物に聞こえてきた。これはインタビュアーの力だと、素晴らしいと思った。
- 全体的に東日本大震災は誰もが経験したことない規模の災害で、待ち受ける現実を想定できる人は極めて少なかったと思うが、やはり目の前のことに対し迷いながらも判断し、選択をし、行動しながら日々を懸命に生きて今があると、全体を通して思った。放送開始が震災発生直後の時刻で、あの日以降を振り返るという意味で、制作者の信念を感じた。
- 東北大学佐藤教授の「自分の危機は軽く感じるという分析と、歴史・科学的な判断で事前に個別な計画を持つこと」という示唆が、この日にこの番組を見た、震災を知らない世代も含めて誰もが心に刻む一番大切なメッセージだった。
- 仙台放送が番組を続けていくことで、私たちは3月11日を忘れないで、鎮魂の祈りを捧げ、番組から学んで次につなげていくことができる。続けていくことが大変重要なこと。今回の仙台放送の番組は大変立派だと申し上げたい。今後にも期待したい。
- 阿部さんは、その時の心理状況を含めて語り部として伝え続ける活動をしているということだが、なぜ語り部になる決心をしたのか、そのプロセスが省かれていて少し消化不良。阿部さんの現在の様子や、語り部として活動するに至る道筋はどうだったのかを、もう少し説明していただけると、説得力が増したのではないか。
これに対し、番組担当者が次のように述べた。
- 明日への羅針盤は2017年スタートし、宮城・岩手・福島の3局で被災地の今を伝えて、これからの未来を見つめていこうという共同の企画。普段のニュースの中でも、月1回VTRの交換もやり、年1回の特番を継続的に制作している。
震災から時間が経過し、3県の事情が変わってきていて、統一テーマを作るのは難しかったが、今回は「選択」とした。見ている視聴者に疑問を持たせない番組作りをしようとしている。客観的に自分の原稿、VTR、スーパーがちゃんと説明できているのか、改めてそのあたりも今後気をつけていきたい。「3月11日」が特別で、大切な日であることは、これから未来永劫変わらないので、宮城県内の課題、3県それぞれの課題を今後もしっかり伝えていきたい。
※第623回番組審議会の概要は、4月5日(土)の「月刊チャンネル寸評」で放送。