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朗読/佐藤拓雄アナ
タイトル
「ツェねずみ」
著  者
宮沢 賢治
朗  読
佐藤拓雄アナウンサー
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第1回放送 (2007年9月28日)
ある古い家の、まっくらな天井裏に、「ツェ」という名まえのねずみがすんでいました。 ある日ツェねずみは、きょろきょろ四方を見まわしながら、床下街道を歩いていますと、向こうからいたちが、何かいいものをたくさんもって、風のように走って参りました。そしてツェねずみを見て、ちょっとたちどまって早口に言いました。……
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第2回放送 (2007年10月5日)
いたちはちょうど、とうもろこしのつぶを、歯でこつこつかんで粉にしていましたが、ツェねずみを見て言いました。
「どうだ。金米糖がなかったかい。」
「いたちさん。ずいぶんお前もひどい人だね。私のような弱いものをだますなんて。」……
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第3回放送 (2007年10月12日)
こんなぐあいですから、ツェねずみはだんだんきらわれて、たれもあんまり相手にしなくなりました。そこでツェねずみはしかたなしに、こんどは、柱だの、こわれたちりとりだの、バケツだの、ほうきだのと交際をはじめました。中でも柱とは、いちばん仲よくしていました。柱がある日、ツェねずみに言いました。……
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第4回放送 (2007年10月19日)
さてそののちのことですが、ちりとりはある日、ツェねずみに半分になった最中を一つやりました。するとちょうどその次の日、ツェねずみはおなかが痛くなりました。さあ、いつものとおりツェねずみは、まどっておくれを百ばかりも、ちりとりに言いました。ちりとりもあきれて、もうねずみとの交際はやめました。……
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第5回放送 (2007年10月26日)
ところがその道具仲間に、ただ一人だけ、まだツェねずみとつきあってみないものがありました。それは針がねを編んでこさえたねずみ捕りでした。ねずみ捕りは全体、人間の味方なはずですが、ちかごろは、どうも毎日の新聞にさえ、猫といっしょにお払い物という札をつけた絵にまでして、広告されるのですし、そうでなくても、元来人間は、この針金のねずみ捕りを、一ぺんも優待したことはありませんでした。……
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第6回放送 (2007年11月2日)
今夜も、ねずみ捕りは叫びました。「おいでおいで。今夜はやわらかな半ぺんだよ。えさだけあげるよ。大丈夫さ。早くおいで。」ツェねずみが、ちょうど通りかかりました。そして、「おや、ねずみ捕りさん、ほんとうにえさだけをくださるんですか。」と言いました。……
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第7回放送 (2007年11月9日)
次の朝、下男が来て見て、ますますおこって言いました。「えい。ずるいねずみだ。しかし、毎晩、そんなにうまくえさだけ取られるはずがない。どうも、このねずみ捕りめは、ねずみからわいろをもらったらしいぞ。」「もらわん。もらわん。あんまり人を見そこなうな。」とねずみ捕りはどなりましたが、もちろん、下男の耳には聞こえません。……
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※一部の作品には、現在において不適切と思われる表現が含まれている場合がありますが、
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。

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