
プログラムのご案内

- タイトル
- 「眠る森のお姫さま」
- 著 者
- シャルル・ペロー
- 朗 読
- 梅島三環子アナウンサー
-
第1回放送
2008年2月8日
むかしむかし、王様とお妃がありました。おふたりは、こどものないことを、なにより悲しがっておいでになりました。それは、どんなに悲しがっていたでしょうか、とても口ではいいつくせないほどでした。そのために、世界じゅうの海という海を渡って、神様を願をかけるやら、お寺に巡礼をするやらで、いろいろに信心をささげてみましたが、みんな、それはむだでした。…
-
第2回放送
2008年2月15日
そのとき、ほかの若い妖女のひとりが、そばにとなりあわせていて、おばあさんのくどくどいうことばを、そっと聞いていました。それで、このおばあさんが、王女になにかよくないおくりものをしようと、たくらんでいることがわかりましたから、食事がすんで、みんなが食卓から立ちあがると、そのまま、その妖女は、とばりのかげにかくれていました。…
-
第3回放送
2008年2月22日
王様は、妖女のおばあさんのよげんしたさいなんを、どうかしてよけたいとおもいました。そこで、その日さっそく、国じゅうにおふれをまわして、たれでも、糸車につむをつかうことはならぬ。家のうちに、一本のつむをしまっておくことすら、してはならぬ。それにそむいたものは死刑にすると、きびしくおいいわたしになりました。…
-
第4回放送
2008年2月29日
さて、王様はこのさわぎを聞いて、さっそくかけつけておいでになりました。そうして十五年むかしの妖女のよげんを思い出しながら、やはりこうなるうんめいだったことをさとって、お姫さまを、そのまま、お城のなかでも、いちばん上等のへやにつれて行かせ、金と銀のぬいとりをした、きれいなねだいの上にねかしました。…
-
第5回放送
2008年3月7日
王様は、お手ずから、妖女を馬車から助けおろしました。妖女は、王様のなさったことを、すべてけっこうですといいました。でも、たいへん先のことのよく見える妖女でしたから、百年ののちに、お姫さまがせっかく目をさましても、この古いお城の中に、たったひとり、ぽつねんとしているのでは、どうしていいか、わからなくて、さぞお困りになるだろうと思いました。…
-
第6回放送
2008年3月14日
さて、百年は夢のようにすぎました。そのじぶん、その国をおさめていた新しい王様の王子が、ある日、眠る森の近くを通りかかりました。この王子は、眠っている王女の一族が、とうに死にたえて、そのあとに代って来たべつの王家の王子で、その日はちょうど、そのへんに狩に出かけて来たかえり道なのです。それで、遠くからお城の塔をみつけると、あの森の中にある塔はなんだといって、おそばの者にききました。…
-
第7回放送
2008年3月21日
若い王子は、この話を聞くと、からだじゅうに、かっとあつい血がもえあがるようにおもいました。ぜひとも、このめずらしいできごとのおさまりを、自分でつけてしまわなければとおもいたちました。美しいお姫さまをさずかるうえに、たれもはいれない魔法のお城をきりひらく名誉が、自分のものになるとおもうと、もううしろからからだを押されるような気がして、さっそく、そのしごとにかかろうと決心しました。…
-
第8回放送
2008年3月28日
さあ、これで魔法の力もいよいよつきたのでしょう、王女は、ふと目をさましました。そして、なんともいえないやさしい目で、じいっと王子のほうをながめました。 「王子さま、あなたでございましたの。」と、お姫さまはそういって、にっこりしました。「ずいぶん待っていただきましたのね。」…
-
第9回放送
2008年4月4日
ふたりはその晩、ほんのわずかしか眠りませんでした。王子は、あくる朝、王女にわかれて町へかえりました。おとうさまの王様が、待ちこがれておいでになるところへ、かえって行ったのでございます。王子は、狩をしているうち、森の中で道にまよって、一軒の炭焼小屋にとまって、チーズや黒パンをたべさせてもらったことなどを話しました。…
※一部の作品には、現在において不適切と思われる表現が含まれている場合がありますが、
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
このコンテンツの楽しみ方