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朗読/浅見博幸アナ
タイトル
「屁」
著  者
新美 南吉
朗  読
浅見博幸アナウンサー
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第1回放送 (2009年8月14日)
石太郎が屁の名人であるのは、浄光院の是信さんに教えてもらうからだと、みんながいっていた。春吉君は、そうかもしれないと思った。石太郎の家は、浄光院のすぐ西にあったからである。…
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第2回放送 (2009年8月21日)
石太郎は、いつでも思いのままに、どんな種類の屁でもはなてるらしい。みんなが、大きいのをひとつたのむと、ちょっと胸算用するようなまじめな顔つきをしていて、ほがらかに大きい屁をひる。小さいのをたのめば、小さいのを連発する。…
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第3回放送 (2009年8月28日)
春吉君は、一ど、石太郎のことで、じつにはずかしいめにあったのである。それは五年生の冬のことである。三年間受け持っていただいた、年よりの石黒先生が、持病のぜんそくが重くなって、授業ができなくなり、学校をおやめになった。…
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第4回放送 (2009年9月4日)
藤井先生は、坂市君から順順にうしろへあてられた。四人めには、春吉君がひかえている。春吉君は、この小さい組の級長である。春吉君は、きりっとした声をはりあげて、朗々と読み、未知のわかい先生に、じぶんが秀才であることをみとめてもらうつもりで、番のめぐってくるのを、いまやおそしと待っていた。…
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第5回放送 (2009年9月11日)
藤井先生は、相手を見てすこしことばの調子をおとしながら、いろいろ石太郎にきいたが、要領を得なかった。なにしろ石は、くらげのように、つくえの上でぐにゃつくばかりで、返事というものをしなかったからである。そこで近くにいる古手屋の遠助が、とくいになって説明申しあげた。…
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第6回放送 (2009年9月18日)
ある人びとは、保護色性の動物のように、じき新しい環境に同化されてしまう。で、藤井先生も、半年ばかりのあいだに、すっかり同化されてしまった。つまり都会気分がぬけて、いなかじみてしまった。…
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第7回放送 (2009年9月25日)
「ええか、ええかあ、にがすなよおっ」という藤井先生の声が、地べたをはってくる。石太郎はだまって、依然、土手の声に聞き入っていたが、やがて、土手についていたもう一方の手が、ぐっと草をつかんだかと思うと、土管の中から、右手を徐々にぬきはじめた。…
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第8回放送 (2009年10月2日)
情景はおおよそ、次第がきまっていた。まず最初にそれを発見するのは、石太郎の前にいる学科のきらいな、さわぐことのすきな、顔ががまににている古手屋の遠助である。…
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第9回放送 (2009年10月9日)
秋もはじめのころの、学校の前の松の木山のうれに、たくさんのからすがむれて、そのやかましく鳴きたてる声が、勉強のじゃまになる、ある晴れた日の午後であった。…
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第10回放送 (2009年10月16日)
春吉君は、どうしていいのかわからない。もう、なりゆきにまかすばかりだ。やがて古手屋の遠助が、きょうは大根菜屁だといった。なんという鋭敏な嗅覚だろう。たしかに春吉君は、けさ大根菜のはいったみそしるでたべてきたのである。…
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第11回放送 (2009年10月23日)
反射的に、ねんどを親指と人さし指の腹ですりつぶしながら、春吉君は見ていた。石太郎はいつもと変わらず、てれた顔をつくえに近くゆすっている。いまに、おれじゃないと弁解するかと、春吉君がひそかにおそれながらも…
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第12回放送 (2009年10月30日)
石太郎にすまないという気持ちや、石太郎はぎせいに立ってえらいなという心は、ぜんぜん起こらなかった。石太郎が弁解しなかったのは、他人の罪をきて出ようというごとき高潔な動機からでなく、かれが、歯がゆいほどのぐずだったからにすぎない。…
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※一部の作品には、現在において不適切と思われる表現が含まれている場合がありますが、
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。

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