
プログラムのご案内

- タイトル
- 「白」
- 著 者
- 芥川 龍之介
- 朗 読
- 浅見博幸アナウンサー
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第1回放送
2011年6月24日
ある春の午過ぎです。白と云う犬は土を嗅ぎ嗅ぎ、静かな往来を歩いていました。狭い往来の両側にはずっと芽をふいた生垣が続き、そのまた生垣の間には…
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第2回放送
2011年7月1日
白はやっと喘ぎ喘ぎ、主人の家へ帰って来ました。黒塀の下の犬くぐりを抜け、物置小屋を廻りさえすれば、犬小屋のある裏庭です。…
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第3回放送
2011年7月8日
けれどもお嬢さんは不相変気味悪そうに白を眺めています。「お隣の黒の兄弟かしら?」「黒の兄弟かも知れないね。」…
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第4回放送
2011年7月15日
お嬢さんや坊ちゃんにおい出された白は東京中をうろうろ歩きました。しかしどこへどうしても、忘れることの出来ないのはまっ黒になった姿のことです。白は…
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第5回放送
2011年7月22日
「きゃあん。きゃあん。助けてくれえ!きゃあん。きゃあん。助けてくれえ!」 この声はまた白の耳にはこう云う言葉にも聞えるのです。…
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第6回放送
2011年7月29日
二三時間たった後、白は貧しいカフェの前に茶色の子犬と佇んでいました。昼も薄暗いカフェの中には…
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第7回放送
2011年8月5日
その後の白はどうなったか?――それは一々話さずとも、いろいろの新聞に伝えられています。大かたどなたも御存じでしょう。度々危い人命を救った、勇ましい一匹の黒犬のあるのを。…
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第8回放送
2011年8月12日
国民新聞。日本アルプス横断中、一時|行方不明になった第一高等学校の生徒三名は七日(八月)上高地の温泉へ着した。一行は穂高山と槍ヶ岳との間に…
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第9回放送
2011年8月19日
しかし透き見をすると言っても、何しろ鍵穴を覗くのですから、蒼白い香炉の火の光を浴びた、死人のような妙子の顔が、やっと正面に見えるだけです。その外は机も、魔法の書物も、床にひれ伏した婆さんの姿も、まるで遠藤の眼にははいりません。…
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第10回放送
2011年8月26日
「驚いたわねえ、春夫さん。」「どうしたんだろう?姉さん。」白は小さい主人の声に、はっきりと目を開きました。見ればお嬢さんや坊ちゃんは犬小屋の前に…
※一部の作品には、現在において不適切と思われる表現が含まれている場合がありますが、
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
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