プログラムのご案内
- タイトル
- 「トロッコ」
- 著 者
- 芥川 龍之介
- 朗 読
- 浅見博幸アナウンサー
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第1回放送
2011年9月2日
小田原熱海間に、軽便鉄道敷設の工事が始まったのは、良平の八つの年だった。良平は毎日村外れへ、その工事を見物に行った。工事を――といったところが、唯トロッコで土を運搬する――それが面白さに見に行ったのである。…
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第2回放送
2011年9月9日
しかしトロッコは二三分の後、もうもとの終点に止まっていた。
「さあ、もう一度押すじゃあ」良平は年下の二人と一しょに、又トロッコを押し上げにかかった。…
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第3回放送
2011年9月16日
その内に線路の勾配は、だんだん楽になり始めた。「もう押さなくとも好い」――良平は今にも云われるかと内心気がかりでならなかった。が、若い二人の土工は、前よりも腰を起したぎり、黙黙と車を押し続けていた。…
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第4回放送
2011年9月30日
三人は又トロッコへ乗った。車は海を右にしながら、雑木の枝の下を走って行った。しかし良平はさっきのように、面白い気もちにはなれなかった。「もう帰ってくれれば好い」――彼はそうも念じて見た。…
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第5回放送
2011年10月7日
ところが土工たちは出て来ると、車の上の枕木に手をかけながら、無造作に彼にこう云った。「われはもう帰んな。おれたちは今日は向う泊りだから」「あんまり帰りが遅くなるとわれの家でも心配するずら」…
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第6回放送
2011年10月14日
彼の村へはいって見ると、もう両側の家家には、電燈の光がさし合っていた。良平はその電燈の光に、頭から汗の湯気の立つのが、彼自身にもはっきりわかった。井戸端に水を汲んでいる女衆や、…
※一部の作品には、現在において不適切と思われる表現が含まれている場合がありますが、
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
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