
プログラムのご案内

- タイトル
- 「俊寛」
- 著 者
- 芥川龍之介
- 朗 読
- 浅見博幸アナウンサー
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第1回放送
2013年8月9日
俊寛様の話ですか?俊寛様の話くらい、世間に間違って伝えられた事は、まずほかにはありますまい。いや、俊寛様の話ばかりではありません。…
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第2回放送
2013年8月16日
わたしが鬼界が島に渡ったのは、治承三年五月の末、ある曇った午過ぎです。これは琵琶法師も語る事ですが、その日もかれこれ暮れかけた時分、…
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第3回放送
2013年8月23日
「おお、有王か!」俊寛様は驚いたように、わたしの顔を御覧になりました。が、もうわたしはその時には、御主人の膝を抱いたまま、嬉し泣きに泣いていたのです。…
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第4回放送
2013年8月30日
御主人は時々振り返りながら、この家にいるのは琉球人だとか、あの檻には豕が飼ってあるとか、いろいろ教えて下さいました。…
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第5回放送
2013年9月6日
「北の方と申しますと、――成経様はあの女と、夫婦になっていらしったのですか?」俊寛様は薄笑いと一しょに…
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第6回放送
2013年9月13日
「所がその我国ぶりも、時と場合では当てにならぬ。たとえば当世の上臈の顔は、唐朝の御仏に活写しじゃ。…
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第7回放送
2013年9月20日
俊寛様は円座の上に、楽々と御坐りなすったまま、いろいろ御馳走を下さいました。勿論この島の事ですから、酢や醤油は都ほど、味が好いとは思われません。…
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第8回放送
2013年9月27日
わたしは思わず眼を伏せました。兼ねて覚悟はしていたものの、いざ申し上げるとなって見ると、今更のように心が怯れたのです。…
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第9回放送
2013年10月4日
「世の中かきくらして晴るる心地なく侍り。さても三人一つ島に流されけるに、などや御身一人残り止まり給うらんと、……都には草のゆかりも枯れはてて、…
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第10回放送
2013年10月11日
俊寛様はこうおっしゃると、たちまちまた御眼のどこかに、陽気な御気色が閃きました。…
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第11回放送
2013年10月18日
「わたしは都にいた時の通り、御側勤めをするつもりです。年とった一人の母さえ捨て、兄弟にも仔細は話さずに、はるばるこの島へ渡って来たのは、そのためばかりではありませんか?…
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第12回放送
2013年10月25日
「おれがこの島へ流されたのは、治承元年七月の始じゃ。おれは一度も成親の卿と、天下なぞを計った覚えはない。それが西八条へ籠められた後、…
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第13回放送
2013年11月1日
「しかしあの頃は毎夜のように、中御門高倉の大納言様へ、御通いなすったではありませんか?」わたしは御不用意を責めるように、俊寛様の御顔を眺めました…
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第14回放送
2013年11月8日
「いや、衣食は春秋二度ずつ、肥前の国|鹿瀬の荘から、少将のもとへ送って来た。鹿瀬の荘は少将の舅、平の教盛の所領の地じゃ。…
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第15回放送
2013年11月15日
すると康頼は怒ったぞ。ああ云う大嗔恚を起すようでは、現世利益はともかくも、後生往生は覚束ないものじゃ。…
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第16回放送
2013年11月22日
「それでも都の噂では、奇瑞があったとか申していますが。」「その奇瑞の一つはこうじゃ。結願の当日岩殿の前に、二人が法施を手向けていると、…
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第17回放送
2013年11月29日
ところが始終蒼い顔をしては、つまらぬ愚痴ばかりこぼしていた。たとえば谷間の椿を見ると、この島には桜も咲かないと云う。…
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第18回放送
2013年12月6日
「少将はどうなさいました?」「四五日の間はおれに遇うても、挨拶さえ碌にしなかった。が、その後また遇うたら、悲しそうに首を振っては、ああ、都へ返りたい、…
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第19回放送
2013年12月13日
「では都の噂通り、あの松浦の佐用姫のように、御別れを御惜しみなすったのですか?」 「二年の間同じ島に、話し合うた友だちと別れるのじゃ。別れを惜しむのは当然ではないか?…
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第20回放送
2013年12月20日
高平太はおれを憎んでいる。――それも確かには違いない。しかし高平太は憎むばかりか、内心おれを恐れている。おれは前の法勝寺の執行じゃ。…
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第21回放送
2013年12月27日
御主人の御腹立ちにも関らず、わたしは御話を伺っている内に、自然とほほ笑んでしまいました。すると御主人も御笑いになりながら、「その手招ぎが伝わっているのじゃ。…
※一部の作品には、現在において不適切と思われる表現が含まれている場合がありますが、
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
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