
プログラムのご案内

- タイトル
- 「押入れ随筆」
- 著 者
- 吉川英治
- 朗 読
- 浅見博幸アナウンサー
-
第1回放送
2015年5月29日
持ちもの嫌い
ひとにはバカげていても、自分にはゆるせない潔癖がたれにもある。子供をみているとおもしろい。枕の好み一つでも、柔いのやら堅いのやらだ。食膳でも、潔癖なのと、ズボラなのが、始終問題をかもしている。…
-
第2回放送
2015年6月05日
暮しの初心
『おたくでは、シツケがいいとみえて、みなさんお行儀がいいですね』などと、どうかすると、客から、おほめにあずかることがある。ほめられて、ぎょっとするようなものだった。家のキャプテンとしての私は、家族たちへ、…
-
第3回放送
2015年6月12日
塗料と習慣
私は十八、九の頃、ドックの工員だったことがある。郵船の客船や、外国船の中へも、よく仕事に行った。それで思い出すのだが、貨物船はべつとして、船の中ほど、清潔な住居はない。サロンといわずルームといわず、…
-
第4回放送
2015年6月19日
二つのニュース
新聞を見ているうちに、朝めしの膳がくると、つい、ハシを手にしたままあとを読みつづける習慣が私にはある。いい習慣でないと知っているが、今朝もついそれをしているうちに、私はハシをおとしてしまった。…
-
第5回放送
2015年6月26日
味噌遍歴
なにかで、味噌の蛋白質は、純粋蛋白というものだという科学的な説明を見てから、つとめて、みそ汁は欠かさぬものにしているが、すこし腹のぐあいがわるいと、どうもあの一椀も残してしまう。…
-
第6回放送
2015年7月3日
梅の味
みそと共に、もひとつ、若い人に縁のない食餌は、梅干だろう。尾崎一雄氏が“風報”の誌上で、曾我村の梅干の自慢?を書いたことから、私たちの友人間でも、どうかすると、そんな枯淡な話が出る。…
-
第7回放送
2015年7月10日
真珠の王冠
このあいだ、東京まつりの前夜祭に、ミス東京コンテストの審査員たちが集まった。場所は外苑の体育館ステージだった。私もその一人だが、審査員十数名のほとんどは、年老った者ばかりであった。…
※一部の作品には、現在において不適切と思われる表現が含まれている場合がありますが、
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
原作の内容を尊重し、原作通り朗読させていただいております。
このコンテンツの楽しみ方