特別企画「ともに」第47回放送

2015年2月14日(土)　12:53～13:23

閖上の記憶［名取市］

　津波で中学生の息子を亡くした女性が、息子のこと、閖上で起こったことを語り続けています。閖上中学校遺族会の代表・丹野祐子さんです。「津波によって命が失われた人がいると言う事を知ってもらえれば、もしかしたら今後起こるであろう次の震災に何か役立てられるのではないか」と震災の翌年からこの活動を始めました。「今は決して震災後ではない。次に起きてしまうであろう震災の前である。命さえあれば何とかできる。この世で一番大切なのは命。息子の命が私に命の大切さを教えてくれた。」と丹野さんは言います。

石巻でカーシェアリング［石巻市］

　1台の車を複数の人々で利用するカーシェアリング。「日本カーシェアリング協会」は、石巻を中心に、仮設団地などに車を貸し出しています。代表の吉澤武彦さんは、震災直後にボランティアとして石巻を訪れ、車を失った被災者が大勢いることを知りました。全国から車を無料で提供してもらい、この活動を始めたそうです。借りている間の燃料代や保険などの車の維持にかかる費用は、利用者側が負担。現在およそ70台の車が利用されています。提供してもらった車の中には、車検がほとんどないという車も少なくありません。また、貸出先から戻り、次の貸出先を待つ車もあり、カーシェアリングを続ける上で、その整備費用のねん出は、大きな課題でした。その課題を解決するために、去年からレンタカー事業を始めました。「車検を通すお金がないから手放すのはもったいない。提供していただいた車を長く使いたいと思った。石巻の復興・地域貢献に役に立ちたい…」と吉澤さんは言います。